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北沢栄
『小説・特定秘密保護法 追われる男』

産学社■本体1600円+税



本書の内容はこちら



『小説・特定秘密保護法 追われる男』に寄せられた反響の一部をご紹介します。


*書評・新刊紹介
  • リベラルタイム(2015年4月号)
    2014年12月10日、特定秘密保護法(以下、本法律)が施行された。日本の安全保障にする特定秘密情報を行政機関の長が指定し、その情報は許可を得た者しか扱えない。また、秘密情報をもらした公務員や民問人には厳罰が科せられる。施行前には、秘密の指定が民間で行われない等を理由に、官僚支配の強化に繋がるといった声や、「国民の知る権利」がおろそかにされるおそれがある、として各地で反対デモが勃発。ニュースや新聞等で話題になった。
    本書は、本法律の施行により:何が起こりうるのか”というテーマで描かれたシミュレーション・ノベル。フリージャーナリスト今西譲が、とある軍事情報を掴み報道を開始する。その一方で、公安警察の捜査線上に次々と浮上してくる容疑者達。その容疑は・・・・・・。一部事実が織り交ぜられているため非常にリアル。「国家機密を暴けば逮捕される社会」の恐ろしさがわかる。

  • 都市問題(2015年3月号)
    行政の長が特定秘密に指定した情報を暴露、漏洩をした者、あるいは特定秘密を扱う立場にあって秘密を洩らした者などを厳罰に処する「特定秘密保護法」。この悪法が施行(2014年12月10日)されて約4力月。巷では、すでに忘れられたように映る。
    ジャーナリストである著者は、この悪法は、最初の逮捕者が出たときに再度議論が巻き起こり、是非が問われると想定して、「小説」と銘打ってシミュレーションを試みた。その意味ではフィクションだが、取調べ、公判を通じて、被告がどのような特定秘密を漏洩したのかは一切示さずに厳罰に問われる法の意図、目的、仕組みは現実そのものである。
    「小説」では、米軍三沢基地へのF35ステルス戦闘機配備を報じたフリージャーナリストと大手新聞社の女性記者が法違反の標的となり、逮捕されたフリージャーナリストが法廷闘争、法廷外闘争に立ち向かう場面で終わる。それ以降は現実の法廷闘争、法廷外闘争そのものであって、フィクションではないということであろう。この悪法に、そんなに無頓着でいいのかという警告の書である。

  • デーリー東北新聞社「天鐘」(2015年2月12日付)
    「政府職員3人が重軽傷 青森三沢米車両と衝突」。三沢市で起きた交通事故が某新聞にベタ記事で載った―ことからその小説は始まる▼北沢栄著『小説・特 定秘密保護法―追われる男』(産学社)が昨年12月、同法施行と共に刊行された。フリージャーナリストと同紙記者が取材を進めると「米軍三沢基地に次世代 最新鋭戦闘機を導入、自衛隊にも配備」という特ダネに辿(たど)り着く▼一方、警視庁公安部は取材を徹底捜査、ジャーナリストの友人に中国人の友人がいる ことを掴(つか)む。官邸と同庁は「中国に情報が流れた」とのシナリオを描き、同法違反の逮捕第1号として発表するが、具体的容疑内容は「申し上げられな い」の一点張り▼会見で食い下がる記者達に、官房長官が「国の安全に遺漏があってはならない特定の重要秘密を指し、その秘密をいちいち明かす訳にはいかな い。秘密を守ることこそが法律の趣旨だ」と弁明―が序盤の粗筋▼法は必要性があってつくられる。過程のケーススタディーでなかなかイメージは湧かないが、 施行後に「こういうことか」とよく気付かされる。でも時既に遅し。官房長官の弁明は見事に?法の本質?を突き、フィクションとは思えないリアルさで迫る▼ 過激派組織「イスラム国」による邦人殺害事件で政府は検証を開始。安倍首相のカイロでの中東施策演説と事件の関係も対象だが、菅官房長官は「インテリジェ ンスに関わる部分が」と早速秘密保護の煙幕を張る。脚本の制作中か、不都合な秘密に近づくなとの警告か。やはり事実は小説よりも奇なりだ。

  • 図書新聞(2015年2月14日号)
    特定秘密保護法の危険性を小説の形で告発 近未来日本の警察国家かを阻止できるのか
    一昨年暮れに強い反対運動を押し切って成立した特定秘密保護法は、一年後の昨年暮れに施行されたが、ちょうど衆議院の解散・総選挙と重なったため、成立の時とは違ってあまり話題にならなかった。また、関連法案の未整備で、この法律の運用はまだできない状態という。それだけ、無理を承知で安倍内閣は成立を急いだのだろう。
    しかし、そうだからといってこの法律の危険性、胡散臭さが減少したわけではない。本書は長年、共同通信の記者だった著者が、小説の形でこの法案が施行された後の社会の変質を描き、言論の自由、取材・報道の自由に与える「壊滅的なダメージ」をクローズアップさせた作品だ。戦前の日本や今の北朝鮮のような国になってしまうことを、日本国民は本当に望んでいるのだろうか。
    主人公はフリージャーナリストの今西譲。青森県の米軍三沢基地近くで起きた交通事故が発端。内閣情報調査室員が重傷を負った事故に疑問を感じた全国紙の女性記者で、青森支局勤務の鮎川由美は、ボーイフレンドの今西の協力を得ながら、ステルス(見えない戦闘機)技術の日本でのトップメーカーが、米軍にこの技術に基づく製品を納入する交渉を行っていることを突き止める。
    一方、警視庁公安部の特定秘密保護法専任捜査官の戸原剛は、鮎川の勤務する全国紙が三沢基地に配備される最新戦闘機のニュースを一面トップでスッパ抜いたことに気付き、同紙に情報を提供した者がいるとみて、この機密漏洩を保護法の適用第一号にしようと、三沢基地関係者の取材を続けている鮎川の監視を始める。
    一方、今西は、福島第一原発の放射能除去の作業員の内部告発を記事にしようと悪戦苦闘したり、中国の大都市の大気汚染問題で、習近平・中国国家主席ら最高指導部を批判している上海の中国人実業家と接触したりしている。しかし、こうした「際どい」取材活動は、警視庁公安部の「危険人物チェック」に引っかかり、今西と鮎川が恋人同士であることを知った戸原は、二人がステルス技術と米軍との関係をこの中国人実業家にリークしたことにして、特定秘密保護法違反事件の第一号として、今西を逮捕する「謀略」を考えつく。
    外国への情報提供容疑者の逮捕によって、同法の意義について国民の支持を得られると呼んだ警察首脳も、この戸原の「作戦」実施にゴーサインを出し、今西は逮捕される。外国のスパイ的活動をしていたということで、警察側は、今西の容疑内容などを「公表できない」と隠蔽してしまう。
    特定秘密保護法の大きな問題点である「何の機密を保護しようとしているのか」がシールドされてしまう「仕掛け」の危険性をフィクションの形で浮き彫りにしている。
    日米軍事同盟、福島原発放射能漏洩問題、中国の大気汚染というアップトゥデートなテーマに、情報規制、言論規制を強化したくて仕方がない公安警察の「野望」を絡めて、ジャーナリストらしい歯切れの良い文章で「秘密保護法施行後」の日本社会を描いている。
    そして軍事機密の暴露を、現政権や公安関係者が「日本の最大の敵」と見なす中国を絡めて、「排外主義による反中国」という現下の日本社会の歪みを暴き出している。
    幸い、まだ現実の日本ではこういう事件は起きていないが、集団安全保障や防衛費の増額を進める安倍内閣の下ではいつかこういう事態になる可能性が高いだろう。
    また、お粗末な外交で、イスラム国に日本人捕虜二人の人質第二億ドルを支払わないと、処刑すると脅されるという事態も起きており、キナ臭さはエスカレートする一方だ。
    軍事力を強化して、「戦争の出来る国」にしようとしている安倍政権の「暴走」を止められるのか、言論統制を強化している同政権の前にマスメディアは沈黙してしまい、国民も「無言の同意」を与えてしまうのか。この国は重大な岐路に差し掛かっている。
    リアリティのある設定で、この国の「危険な近未来」を描いた本書は、同法に反対している人々に広く読んで欲しい。(評者は評論家・山辺裕之氏)

  • 共同通信・Weekly(2015年1月26日号)
    特定秘密保護法の施行によって、すぐにも起こりそうな事態を想定したシミュレーション・ノベルである。
    事件の発端は2015年3月、ある新聞の社会面に載った「政府職員3人が重軽傷/青森三沢米車両と衝突」というベタ記事。フリージャーナリストと同紙の記者が、取材を始める。米軍三沢基地に次世代の最新鋭戦闘機が導入され、自衛隊にも配備されることをつかむ。戦闘機のステルス性能は、日本製のカーボンファイバーが支えていることなど、次々に新事実を発掘していく。
    一方警視庁公安部は執拗な捜査を続け、フリージャーナリストに中国人の友人がいることをつかむ。官邸と警視庁が綿密に打ち合わせ、「中国に情報が漏れた」というシナリオが描かれ、同法違反の逮捕第1号として大々的に記者発表される。
    記者会見で、特定秘密の内容を問いただされても、当局側は「内容は申し上げられない」と、突っぱねる。なおも記者が「中身が言えないのなら真相は隠されてしまう」と食い下がると、官房長官が「特定秘密とは、国の安全のために漏洩があってはならない特定の重要秘密を指します。従って、その秘密をいちいち明かすわけにはいかない。その秘密を守ることこそが、法律の趣旨なのですから」。
    フリージャーナリストは無実を主張、市民運動も盛り上がる。捜査当局は、すかさず東京電力福島第1原発の汚染水処理に関する内部告発者を、同法違反の第2弾として逮捕する。立て続けの逮捕は、日本がスパイ天国であり、政府は原発テロなど国民生活の安心安全にも目を光らせていることを国民に印象付けるとともに、反対運動の分断をも狙っていた―。
    読み終わって評者は、近代宣伝術を編み出したナチスのゲッペルス宣伝相の世論操作に似ていると感じた。劇薬と甘い薬を巧みに混ぜ、国民を一つの方向に駆り立てていく手法である。情報管理に厳しかった後藤田正晴元副総理は「機密には1日限りのもの、1カ月、1年、数年とある。大半は公開資料を丹念に分析すれば分かる。永久秘密は10%もない」と言っていた。
    ある情報関係者は「情報は相互主義だから、日本が厳しくすると、他国で収集活動が難しくなる」と語った。
    欧米では、「秘密」と「情報公開」はセットで取り組まれ、情報公開も日本より早い。
    1994年10月にニューヨーク・タイムズ紙は、公開された米公文書から、「CIAが50〜60年代に自民党へ数百万ドルの資金提供」との記事を掲載した。CIAと緊密だったのは当時の実力者、岸信介と佐藤栄作両元首相だと報じた。このように時の政府に都合の悪い情報が、他国の情報公開から発掘されるケースが今後、増えるのではないか。
    著者は「官僚社会主義」「公益法人」「独立行政法人」などで、官僚機構の腐敗を追及してきた。「特定秘密」が、統治機構にいかに都合がいい法律であるかを知る上でも、ぜひ一読をお勧めしたい。

    山形新聞(2015年1月25日)
    特定秘密保護法が昨年12月10日、施行された。本書は、本法律施行後の2015年、すなわち今年の日本を舞台に、その問題点を小説仕立てに描いたものである。
    この法律の最大の問題は、本来国民に開示されるべき情報が「特定秘密」として、政府によって恣意的に隠される危険をはらんでいることだ。特定秘密の取扱者である公務員らによる漏えいだけでなく、報道機関を含む一般国民がそれらの者へ接近し特定秘密を取得する行為について、厳罰による規制がなされていることにも重大な問題がある。
    本書は、主として後者の観点から、一人のフリージャーナリストを主人公に、本法律に違反したとして彼が公安警察に監視され追われるさまを描く。容疑とされるのは米軍基地への戦闘機配備計画に関する情報の不正取得などで、尖閣諸島上空で日中両国の戦闘機が衝突し軍事的緊張が発生する中、同法違反による逮捕第1号、となるという筋立てだ。
    主人公の周りに、警視庁公安部の捜査官、新聞記者、特定秘密を扱う民間企業の従業員らの登場人物を配しながら、本法律施行後の社会の変化をさまざまな角度から本書は描き出している。主人公の被疑事実や捜査手法の描き方にやや物足りなさが残るが、国家が強権化し暴走し始めることへの著者の強い危機意識が看取され、この法律が社会にもたらすものが何かをあらためて考えさせられる。
    キーワードの一つが「萎縮」。特定秘密を暴けば誰もが追われる身となる。そのため本法律を取り締まる側を除く全ての者を萎縮させる「萎縮法」になるとの指摘は、正鵠を射ているのではないか。
    著者は、もと共同通信の記者で、本誌のコラム「思考の現場」も執筆しているが、権力の監視者の役割が期待されるジャーナリズムでも「取材する方もされる方も怖くなって萎縮してしまうのは確実だ」と主人公に語らせている。民主主義の土台である「知る権利」をどこまで本気で守り抜く覚悟があるかどうか、国民もメディアもそれが試される時代に入ったことだけは間違いないようだ。(評者は弁護士・安部敏氏)

    ベストブック・月刊ベルダ(2015年1月号)
    2014年12月10日、特定秘密保護法が施行された。その日に合わせて発売された本書は、この法律によって一体何が起こりえるかを検証したシミュレーション・ノベル―
    2015年3月、朝夕新聞社の社会面に小さなベタ記事が掲載される。
    「政府職員3人が重軽傷/青森・三沢 米車両と衝突」
    記事に触発されたフリージャーナリストの今西譲は、同紙青森支局の記者・鮎川由美と共に取材を開始。米軍三沢基地に米国の次世代最新鋭戦闘機F35が間もなく導入され、自衛隊にも配備される計画をつかむ。 そしてF35の強みであるステルス性能の秘密が、機体に埋め込んだカーボンファイバーで、製造元が日本のメーカーであることを明らかにする。
    一方、警視庁公安部は盗聴システム「エシュロン」を運用する米NSA(米国家安全保障局)の協力を得て、今西と鮎川に捜査の手を伸ばす。 今西の友人に中国人実業家(共産党員)がいることをつかんだ公安部は、今西が中国に情報を漏らしたというシナリオを無理やり描き、官邸と連携を取りながら、特定秘密保護法違反での初摘発を劇的に演出すべく周到に準備したうえで今西を逮捕、大々的に記者発表する。
    会見では記者たちが特定秘密の内容を問い質すが、「F35に関連した当該特定秘密の内容は申し上げられません」。記者が「中身が言えないというのでは、国民も納得しない。事件の真相が隠されてしまう」と食い下がると、官房長官が答える。
    「特定秘密とは、周知の通り、国の安全のために漏洩があってはならない特定の重要秘密をさします。その内容を一々明らかにするわけにはいかない。その秘密を守ることこそが、法律の趣旨なのですから」
    その日の夕方のテレビ各局のニュース。街頭インタビューでは、街行く人々が「国の安全が確保されるなら私たちも安心」と口々に答えている。それを見ながら公安部の捜査員がひとりごちる。
    「心配は杞憂だったな。街の声は圧倒的に“安全安心が第一”だ。デモクラシーがどうのこうの言う声はない。あれは一部マスコミの作り話だ」
    今西は法廷と法定外の両面での反撃を誓うが、起訴の翌日、特定秘密保護法違反の第2弾が記者発表される。実はその数日前、公安部長が警視総監にこう語っていた。
    「総監、注目された逮捕第1号が公判で勝手な主張をやって市民運動が盛り上がるような事態はなんとしても避けなければなりません。(中略)検察とも相談しましたが、公判を有利に運ぶ上でいい案が浮かびました。 いま捜査を進めている案件のうち、福島第1原発の汚染水処理についてブログで内部告発した作業員がいます。この輩をしょっぴいて発表する。奴の証拠は揃っているので逮捕に問題はありません。狙いは二つあります。 一つは、国民に日本の国家秘密がいかにルーズに管理されてきたかを知らしめることです。(中略)他国のスパイだけでなく原発テロに対しても公安は目を光らせている、国民が安心できるように監視していることをいわばPRするわけです。 国民はいまや『安全安心』が何よりですから、第2の逮捕は国民に不安よりも安心をもたらす、と考えています。(中略)いつ実行するかタイミングの問題ですが、これを近々に前倒しする。 そうすることで今西の下に結集しようとしている勢力の方向を二つに分断させることができます」
    著者は元共同通信記者のジャーナリスト。マスコミの対応などを描く場面は臨場感がある。




*読者の反響
  • 面白く読んだというより、ある種のショックとともに読了したというのが、正直な感想です。ありうる話として、ある種の「機密情報」の外部流失の懸念を持つ小生にとっても、この法律に対して常に眉に唾して臨む必要があると意識させられました。戦前の「治安維持法」は真っ平だと思っている身としては、それに繋がるかもしれないこの法律の、「暗部」ないし「真の意図」を見極めていく必要があると思わせられ、蒙を啓かれた思いです。加えて、この法律が、「官僚」によって作られたこと(ある程度やむを得ない面があるが)、従って彼らに都合がよく、政事の「官僚支配」を強化するものだという視点も新鮮に感じました。大手メディアは、どちらかというと政権、政治家の追及に終始したきらいがあるので、これは小生にとって新しい視点でした。(男性、神奈川県)

  • このように未だ起きていない事件を書くのに、小説というのはじつにいい形式です。…「大したものだ」と、驚きました。記者を主人公にしたのも適切だし、小道具もカンチュウハイとかキャンティとか上手いものだ。Gleichschaltungに至っては、小生すっかり忘れていたものを思い出させてくれて、有難う。適切ですよ!「言いしれぬ不安」も十分共有していますし。…それにしても相当準備されたと思われますが、取材旅行にも(例えば、北京、青森など)行かれたのでしょうか?本気度が窺えて、いい。立派なものです。小生は中国は香港から広州へ入ったくらいなので。…マスメディアではすでに安倍批判を控える傾向が出ている(特にTV)が、秘密保護法とは直接関係ないが嫌な感じだねえ。(男性、茨城県)

  • 貴著、各所に散りばめられた高尚なphraseが読者の心にストンと届き、影の男に追われる男が次々に出てきてしまうような社会に決してさせぬような一人ひとりが熟慮する世の実現を願うばかりです。(男性、東京都)

  • …大変面白く「次はどうなるか」と思いながら、読み終えました。北沢栄さんも小説を書くのが大変上手になりましたなということと、内容の調査は大変だったろうなと感心しながら拝読しました。…「特定秘密保護法」についての理解も深まりました。(男性、東京都)

  • この小説を読むと、誰ものすぐそばにある危機と言える。ジャーナリストは、どう報道の自由を守るのか? 守れるのか? この特定秘密保護法が、戦前の治安維持法に並ぶ悪法だということが、よく分かる。(男性、東京都)

  • …いまの政治に問題提起をしている、重みのある深い小説で、それでいてサスペンス小説のようで、スリルがあり、読み応えのある、面白い小説だと思いました。(女性、東京都)

  • (秘密法の怖さについて)よく書けていると思う。(主人公の)今西と鮎川にエールを送りたい。(男性、東京都)

  • (小説で政府が)分かりにくいことをいいことに勝手気ままにやろうとしている恐ろしさが実感できたようです。知らないうちにとんでもない時代に突き進んでいる現実を知らせなければなりません。(男性、東京都)

  • …特定秘密の中身が規定されてないため、その運用次第でまさかと思われることにも適用範囲が拡大されると、社会全体が達磨のように、黙りこくるようになる。まさにゆがめられたシステムにガラス張りのプライバシーの暗黒社会が同居する。…この法律の怖さは、社会が閉塞すると思想犯や国家の法律違反や口封じにも使われかねないところにあると思う。(男性、東京都)

  • 「追われる男」最高にすばらしかった。その表現力と内容の深さに魅了されました。(女性、愛知県)

  • 法律の施行と合わせタイムリーな出版、しかも難解な法律を小説の形で解き明かす手法は快挙です。(男性、神奈川県)

  • 良いタイミングの刊行となりました。戦前のプロレタリア文学のように、時流から逃げないで真正面から向き合う小説は少なくなっています。そんな中での刊行ですから大変意味があると思います。読みだすと止められない面白さがあります。(男性、東京都)

  • 時の政権の扱い方次第では全体主義の復活を促す法案に、歴史的な事実を語りながら警鐘を鳴らした重要な本であることと…確信します。
    ワイマール時代のドイツが民主主義の憲法を持ちながら、ナチの作戦に嵌ってヒットラーの台頭を許し、戦争の道に突き進んだ…歴史が思い浮かびます。折から、今日は総選挙の日です。野党の候補者がこの歴史の事実のちゃんと向き合っていたら、きっとアベノミックス批判のみの主張とは全く異なった、“民主主義の危機”を訴える主旨の演説となっていたことでしょう。(男性、神奈川県)

  • (秘密保護法の恐ろしさを)身近に、現実的に感じるためには、こうした小説の形を取るのは大いに意味あることのように思われます。(男性、東京都)

  • (特定秘密保護法の)危険性については、弁護士会や有志弁護士が解説書などを出版して訴え、それなりに世間の注目を集めていますが、小説の形式で書かれた点に新味と着想の妙があり、興味深く拝読しました。(男性、東京都)

  • …今回の選挙では残念ながら与党が3分の2の議席を確保しましたので、ヒトラーの独裁政権が行ったと同様な恐ろしいことが起こる可能性をこの小説は示唆しています。また、特定秘密保護法の本当の恐ろしさをわかりやすく解説して頂いたことに感謝申し上げます。
    特定秘密の内容を公開しないで逮捕し、裁判でも公開しないとなると、被告がどういう秘密を入手し漏らしたのかが不明のため弁護人は弁護のしようがない。平気でこうしたことが行われるとなると、ジャーナリストも秘密の内容を知っている公務員も萎縮して、安倍独裁政権の思うがままになるでしょう。
    特に、原発再稼働・原発推進に堂々と舵を切るのではないかと心配しています。…(男性、広島県)




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